活動レポート(ブログ)

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佛教大学主催イベントでタッピングタッチ~能登半島地震・被災地での活動③~

2024/06/27インストラクターより

佛教大学主催の被災地支援イベントでタッピングタッチによる支援を行った5人のインストラクターの報告をお読みください。
一緒にいることのすばらしさや大切さ、人のあたたかなぬくもりが伝わってきます。

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タッピングタッチでの被災者支援 ~能登半島地震・被災地での活動③~

6月8日(土)、珠洲市野々江町にある「海浜あみだ湯」の駐車場で行われた佛教大学主催の『春のパン祭り』で、5名のインストラクターがタッピングタッチブースを作って活動しました。
このイベントは、佛教大学の学生さんや卒業生、教職員の方々が中心となって、金沢市や奥能登地方にあるパン屋さんから美味しいパンを届けたり、たこ焼きを提供したり、子どもさん向けの工作教室などを企画されたものです。能登福祉救援ボランティアネットワークさんも協力して実施されました。

珠洲市は能登半島の突端にあり、被害が非常に大きかった地域です。発災後、半年近く経過していますが、まだ上下水道が使えない地域もあるとのことでした。場所を提供されたあみだ湯さんは被害部分の修理を急ピッチで行って、なんと1月中旬から営業されているお風呂屋さんです(地下水を利用されています)。私たちは、あみだ湯さんの駐車場の一角と建物内の和室をお借りして、12:30〜15:30の間に、46名ほどの方にケアさせてもらいました。

今回活動したのは、東京の柏崎咲江さん、福岡の清水幸織さん、岡山の中谷優子さん、大分の山下誠二さん、そして神戸の鈴木の5名。朝いちばんに金沢駅に集合し、佛教大学の皆さんのジャンボタクシーに先導してもらい、レンタカーで現地に入りました。山下さん、清水さん、運転ありがとうございました!

それでは、活動された皆さんの感想をお伝えします。

<柏崎さんより>
金沢駅から珠洲市へ向かう道が、復興までまだ時間がかかるであろう様子を見たり、途中の家の倒壊や、見た目はまだ大丈夫そうな家でも赤や黄色の貼り紙で立ち入り禁止になっていたりする様子や、タッピングタッチ後に、案内してくださった地域の被害の大きさを目の当たりにして、胸が苦しくなりました。わずか数時間の滞在の私で、この苦しい感情ですから、現地で日々過ごされている方の心情を考えると、何をどう話して良いのか、、、言葉は出ませんでした。
それでも今回のイベントで、楽しそうに近所の方々とお話しされていたり、嬉しそうにたこ焼きの列に並んでいる方々を見ていて、人間に必要な共存(共に、いる)の力をとても感じました。そして、タッピングタッチの言葉が不要な点の有益さや、「ゆっくり、やさしく、ていねいに」の大切さを私自身が改めて感じました。
タッピングタッチをやらせて頂いた方々の背中が、硬い方が多いのはご本人が意識されているかはわかりませんが、やはり普段はストレスフルで身体が緊張状態なんだろうなぁと思いながらトントンとしていました。

<清水さんより>
3時間という短い時間でしたが、「地震の後から身体中が緊張して、強張って夜も眠れないのよ…」と、話していた女性が「意識が遠くにいってたわぁ」「リラックス出来て気持ち良かったぁ」と言って下さった時には、来て良かったな…と、嬉しく感じました。と同時に、5ヶ月以上の間、本当に心身ともに辛い思いを抱えていたんだなぁ…と、胸がギュッとなる思いでした。
お話をして下さる時に、皆さん笑顔なのです。特にお風呂上がりの笑顔は、最高でした😃その後に、タッピングタッチをさせて頂いて見送る背中に「今夜はゆっくり眠れますよう」と、願わずにはいられませんでした。帰り際、地元のスタッフの方に、津波被害の酷かった地域を案内して頂きました。言葉が見つからない現実。大きな支援は出来ませんが、私も、この活動が続く限り、一緒に能登の皆さんの背中に『ゆっくり やさしく ていねいに』トントンの温かさとハート💗を届けに行きたいと思います。

学生さん達が、レジンをつかったワークショップを子どもたち向けに開いていました。紫外線に当てると硬化するレジンが不思議だったのか、両手を太陽にかざして、まだかなまだかなと、ワクワクしている子どもたちの笑顔がキラキラ✨と輝いていて、見ていて幸せな気持ちになりました。そばで見守る親御さんもニコニコ笑顔😃 子どもたちの目線に合わせるように身を屈めながら、暑い中ずっとワークショップを開いていた学生さん達も、とびっきりの眩しい笑顔。とってもとっても素敵な空間で、私が癒され、元気を貰った能登でのひとときでした。

 

<中谷さんより>
避難所では最初布団もなくて、床にブルーシートを敷いて寝たことをお話ししてくださった方。触れた瞬間、驚いたように「あたたかいわ~」と叫んだ方。濡れ髪のままの中学生くらいの女の子。お風呂上がりに「肩が痛い、腰が痛い」と患部を差し出してこられた方。首と肩がガチガチという若いお父さん。治療ではないことをお話ししつつ、辛いところを丁寧に丁寧にタッチしました。
印象的だったのは、みなさんがとても自然に支援を受け入れているように見えたことです。もちろん、最初からそうだったわけではないかもしれません。お一人お一人の心の内もわかりません。私の勝手な思い込みかもしれません。ただ、能登のみなさんは普段からお互いに「助けたり助けられたり」で生活されてきたのではないかと思いました。助けが必要な時は受ける、自分が助けられる時には助ける。「能登はやさしや土までも」とはそういうことなのかもしれない、と感じました。
実際に現地へ行き、見たり聞いたり感じたり、現地のみなさんと触れあったりしなければわからないことがあると痛感しました。海風が吹き抜けるあみだ湯さんの駐車場で、支援物資やクリーニングされた寝具が山積みの待合所で、まさに同じ空気を吸いながら「いっしょにいる」ことのすばらしさや大切さをこの時ほど強く感じたことはありません。現地への往復で目にした、言葉にすることも難しい風景。ここでみなさん生活されていたのだ、生活されているのだ、生活を取り戻そうとされているのだ・・・。その時は衝撃で呆然とするのみでしたが、帰って来てから涙が溢れてとまりませんでした。

<山下さんより>
金沢駅からあみだ湯に行くまでの2時間半ほどの道中。海沿いのきれいな道で天気も良く被災前は多くの旅行者の往来が想像できた。しかし会場に近づくにつれ、震災による著しい道路の陥没、隆起、潰れた家屋等深刻な被災状況が現れ次第に緊張が高まる。往路は私が運転したが、ジャンボタクシーの先導がなければ、本当に大変だったと思う。
私は8~10人ほどケアした。避難所生活を余儀なくされている人、自宅で生活はできているが外に出なくなった人等、仕事を失って途方に暮れている人、様々な被災者がいたが夜は眠れない日が多く疲れが溜まっているとことだった。「私だけが大変なんじゃない、みんな大変。もっと大変な人もいるからね・・・」と話してくれる。タッピングタッチ後は「ありがとう、気持ちよかった。手温かいんだね」と感想を残してくれた。私が想像していたより、みなさん総じて明るい印象を受けた。
復路にて、地元の方に被害が大きかった地域を案内していただいた。半年近く経過した今でも震災、津波により壊滅した家が続き唖然とした。ここに住んでいた人たちのこれからの生活、メンタルはどうなってしまうのだろうと無力感に襲われたが、今回そのような最中において珠洲の方と出会いタッピングタッチをして差し上げることができて本当によかったと思っている。たいへんな最中に僅かでも癒しの時間を提供できたものと信じているし、被災された方の平穏を祈るばかりである。

〈最後に…〉
小さな子どもさんを連れた女性にタッチさせてもらった後、「やり方を教えてください。子どもにやってあげたい。2階に上がるのを怖がるんです」とおっしゃっていました。
たこ焼きが焼けるのを待つ間、こちらの様子を見ていた高齢の女性。タッチした後「いかがでしたか」と訊くと「こんなにゆっくりできる時ないんや、片付けせなあかんから。久しぶりやった」とぽろりと語って帰られた後ろ姿が忘れられません。

「大分と、福岡と、岡山と、東京と、神戸から来たんですよ~」と言うと、目を丸くして、「まぁ、そんな遠くから!ありがたいなぁ」と明るい笑顔で迎えてくださった男性。おフロ上がりのさっぱりしたところに、さらにタッピングタッチでぽかぽかと温かくなって「汗が出てきたわぁ(笑)」と。「気持ちいいよぉ、やってもらい!」と近くの人にも声をかけてくださっていました。

タッチしている間、珠洲の被害の状況を詳しく教えてくださった方から「市で一番大きなスーパーに津波が来たんだよ」と聞き、帰り道にその前を通りました。大きな建物の外枠だけが残っていました。珠洲市の、この被害の大きさはどのくらい報道されたんだろう。私が観ていなかっただけなのか…。
5月、避難所となっている加賀温泉の旅館で、珠洲市や輪島市から避難されている方々とお話した時、「天気のいい日は車で帰って家の片づけをしている」とおっしゃっていましたが、その道中の、なんと厳しいことか。運転にも注意が必要で、往復するのに6時間近くかかり、いったい現地でどれだけ作業できるんだろう。目の前にして、一緒にいて、話を聴いて、はじめて想像できることがある、と痛感しました。これからも息長く活動していきたいと思います。

鈴木貴子(神戸)

 

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タッピングタッチでの被災者支援 ~能登半島地震・被災地での活動②~

2024/05/30インストラクターより

タッピングタッチでの能登半島地震の被災者支援がインストラクターを中心に行われています。
3月の報告ー>能登半島地震の今・タッピングタッチによる支援

ボランティアコーディネータさんの「継続してボランティアが来てくれていることは、『忘れてないよ』という大切なメッセージを伝えているんです」という言葉が胸に響きます。
継続した活動への皆様の支援・ご協力をお願いします。
タッピングタッチによる支援活動に関心のある方は、事務局までお知らせください。現地に行く以外にも支援の方法はありますよ。
ー>https://www.tappingtouch.org/?page_id=87

認定インストラクターになりませんか?今年度の養成講座の申し込み始まっています!
ー>https://www.tappingtouch.org/?page_id=71

現地の様子、タッピングタッチによる寄り添う支援について、3名のインストラクターの報告をお読みください。

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~能登半島地震・被災地での活動②~
5月25日(土)~26日(日)の2日間、2次避難所になっている加賀市のホテル「加賀百万石」のラウンジ(玄関入ってすぐの、ゆっくりできるロビーのような所)で活動しました。
25日は13:00~18:00まで、3名のインストラクターで、17名の方にケアしました。
26日は10:00~15:00まで、2名のインストラクターで、16名の方にケアしました。
この避難所は、被災地からは車で3時間ほど、距離でいうと150~200キロぐらい離れています。多い時は300人以上の被災者が避難していたそうですが、今は70人ほど滞在されているとのことでした。私たちの活動をコーディネートしてくれている能登福祉救援ボランティアネットワークは週に1日、ここで困りごと相談窓口を開いているそうです。
今回活動したのは、群馬の後藤三佐子さん、大阪の平由佳さん、そして神戸の鈴木の3名。朝いちばんに金沢駅で集合し、同ネットワークのコーディネーターさんと合流し、2日間通して送迎をはじめ、活動全般のサポートをしていただきました。その日の朝も、早速私たちのために大きなA1版の看板をお店で印刷して持ってきてくれました。

避難所というと、体育館のような所で雑魚寝、のようなイメージかもしれませんが、ホテルの2次避難所は客室で過ごされているので、お部屋から出て来てくださってはじめて、被災者の方々と出会うことができます。私たちが来ていること、タッピングタッチというケアを受けてもらえることをお知らせすることに工夫と時間が必要でした。
後藤さんと平さんも書かれているとおり、初日はなかなか苦戦しましたが、2日間滞在したことが功を奏して、リピーターの方も来てくださったり、より打ち解けてお話できるようになったと思います。
両日来てくださった方の言葉です。
「いいタイミングで来てくださった。前日、これから先の居住場所の件で計画変更のお知らせがあり、皆さん、気が立っていたと思う。言葉が荒くなっている方もいたので、ちょうどいい時に来てもらったと」と。
 
では、今回活動されたお二人の感想をお伝えします。
 
〈後藤三佐子さんより〉
活動場所の決定が直前で、被災者の方々へ前もってタッピングタッチ会場の連絡ができていなかったので、
・ラウンジにいらした方にお声がけをする
・お部屋近くまで行き廊下で会える方々にお誘いをする
・全室に入る放送を使わせてもらい、お誘いの放送をする
・お弁当配布場所にチラシを置く
・ケアを受けてくださった方にお知り合いを誘って来ていただく。
など、何とかお部屋から出て来てもらいケアさせていただきたい、少しでもお役に立ちたい、という思いでタッピングタッチをラウンジで始めました。
 
ケアを受けてくださった方々との会話をご紹介します。
・杖をつきながらゆっくり歩いて来られた年配女性が「この足では何もすることができないし、動けないけど、周りの人がこのラウンジへ行けば良い気持ちになるよ!と教えてくれたので来てみました。身体が温まり、リラックスできたよ」。
・タッピングタッチを少し始めただけの時点で、もう「温かいね〜」と。
・背中からひと通りやった後、「あったかいね!でも手術して腰から下の足が冷たくて〜」と仰ったので、太ももの上で一緒にタッピングし、膝から下をコアラの木登りの手法ですると「温まるね〜」と。
・「近くの人から、良いから行ってみれば〜と誘われたので来ました。主人が、そんなに良いんなら聞いてきてオレにやってくれ!と言うので少し教えてください」。ご主人は、部屋から外へは出たくないらしいです。そういう方こそ来て欲しかったのだけど、色々思うこともおありなのだろうし、奥様は、体験後とても喜んでお部屋に戻られました。
・年配の方が「家の屋根が落ちて潰れ、物置もペシャンコ!思い出の物は、置き場もなく大事にしていた着物もゴミとして処分するしかない。ここには、何も持ってこれないしね」と心残りのご様子で、「私も子ども達に元気なうちに片づけしておくように言われてましてね〜」と返すと「そうだよね!もう物は要らないね!年取ってて、片付けもできないから思い切って諦めるよ」と。
・ご近所から面会者がいらしていた方も。預かっていた物が、震災後、誰かに持ち出され無くなっていたとのこと。「非情なことをする人がいるんだよ!」。
・私たち(被災者)のために遠くから来ていただきありがとうね!とても良い気持ちだったよ
・「あったかいね〜、あなたの手には何か入ってるのかい?」「いえいえ、私たちは、こうして触れ合っているから、お互いに私もリラックスできているんですよ」 とお返事しました。
・とてもお元気な高齢男性。毎朝、ゲートボールをしているとのこと。ガラス越しの新緑の景色を見て、「ここ(2次避難所)は、海が無いからなぁ〜」とちょっと寂しそうに、ご自宅のことを思っていらしたようです。「これ、やってもらってると眠くなるよ」と、うっとりしてリラックスされてました。
他の方々もタッピングタッチをしながら、皆さん、色々な思いをお話しされました。そして、「いい気持ちで、あったかくなったよ。本当にありがとう」と言っていただけました。
 
コーディネーターさんや、被災された皆さんからのお話で、とんでもなく、恐ろしい体験をされ、半年近く経つのに2次避難所での生活が続いていて、まだまだ復旧していない所も多く、先の生活を案じられていました。来る前は、「どうお声がけをすれば良いのか、寄り添えるだろうか」と、とても心配していたのですが、2次避難所での1日半という短い時間の中で、タッピングタッチで身体が温まり、心もリラックスしていただき喜んでもらえて、私も嬉しい気持ちになりました。お一人ずつのお話が聴けて、 こんな私でもタッピングタッチを習得していて、少しは、お役に立てた、本当に来て良かったと思ました。被災地の皆様の一日でも早く落ち着いた笑顔のある生活に戻ることを心から願っております。
 
<平由佳さんより>
今回、私は5月25日大阪から日帰りでの参加でしたが、支援会場が、2次避難所となっている加賀市のホテルでしたので会場にも半日ほど滞在することが可能でした。
これまで、他の被災地では、がれき処理などには参加した経験がありましたが、タッピングタッチの支援は、一人では行動できないままで、でも今回は鈴木さんはじめ、素敵なインストラクターメンバーと一緒だったので安心して参加できました。
とはいうものの、それぞれいろいろなご事情があることが予想され、傾聴するときも、より配慮が必要だねと、緊張気味ではありました。
実際の場面では、私はまずは「最近のお身体の調子はいかがですか?」「夜は眠れてますか?」などからお尋ねし、タッピングタッチをしながらだったので自然と話もふくらみました。中には、話し始めは、「震災のことを見聞きすると気持ちが悪くなってしまうので調子がよくない」と緊張気味だった方も、後半、私の背中にもタッピングタッチをやってもらったりしたところ、終えた後に早速協会のホームページで動画を見てくださっていたり、よく眠れないという方に「今晩、いつもより眠りがよかったら、明日もいるので、お父さんも誘ってまた来てくださいね」とご案内していたら、翌日もリピートして会場にしてくださった方もおられたとのこと。また、「いいタイミングで来てくれた」と言ってもらえて、うれしく感じました。
コーディネータさんから「避難されている方々は、期間が長くなる中で、だんだん自分たちが見放されていると感じて、あきらめたり、憤ったりというような気持ちなっているので、継続してボランティアが来てくれていることは、『忘れてないよ』という大切なメッセージを伝えているんです、それがとても大事なことなのですよ」と言ってくださったことが、役に立ててるのかな・・と不安に思っていた私にはありがたく、ほっとしました。
私は1日目だけで、当日思うようには人が集まらなかったりしたので、帰路では、ああすればよかった、こうすればよかったという思いが出てきたのですが、現場に入ってみないとわからないこともあったので、欲張らず臨機応変にできることを対応し、できなかったことはまた次にいかしていきたいと思います。
ただ今回、2日間同じ会場で続けて開催できた点は、インストラクター側で前日からの修正や工夫も翌日に加わり、また1日目参加者から口コミもあったでしょうし、より親しみを感じながらタッピングタッチを体験・知っていただけてよかったのではないかと思います。
私自身、2011年の東日本大震災後の活動ニュースをきっかけにタッピングタッチを知って学んできましたが、今回またあらためて、本当にシンプルで効果的な、大切なケアだと実感しました。今回も色々な方の支援、協力があって、私が参加の機会をいただき、被災者の方々のやさしさにも触れ、とても貴重な体験をさせていただいたことに感謝しています。
 
〈最後に〉
遠方から、短期で、という形の支援になるため、現地に行って初めて分かることも多く、同行いただいたインストラクターのお二人や、能登福祉救援ボランティアネットワークのコーディネーターの後藤さんには、一緒に悩んだり、工夫したり、本当にサポートしていただきました。
私がケアさせていただいた方が、庭の鯉を見ながら「大きな鯉やなぁ。鯉も悩んだりするんかなぁ」とぽそりと呟かれたのが忘れられません。一人暮らしの方で、家の片付けをする気力が湧いてこない、ということを言われていました。タッチを続けていると「あんたの手は温かいなぁ。温かさが染み通ってくるわ」と言われて、最後は笑顔でお別れできました。
 
これからも息長く活動していければと思っています。
 
鈴木貴子(神戸)

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能登半島地震の今・タッピングタッチによる支援

2024/05/21インストラクターより

能登半島地震から4か月が経ちましたね。緊急性の高い支援が必要な時期から、一人ひとりの状況・環境にあわせた心のケアが必要な段階へと移行しています。タッピングタッチインストラクターも、現地でタッピングタッチを用いたボランティア活動を始動しました。
4月14日(日)の協会主催のスタディフォーラムは、現地で支援を行ったインストラクターの鈴木貴子さんと石田麻衣さんをゲストに迎え、「能登半島地震の今・タッピングタッチによる支援について」というテーマで行いました。
とても大変な状況とともに、タッピングタッチが喜ばれた様子が報告されました。また被災者を支援している方々にもタッピングタッチを届けるにはどうすれば、などの意見交換もされて、とても意義あるフォーラムとなりました。編集したものをオンデマンド配信しています。

オンデマンド配信は、ねこあしショップからお申込みください(認定インストラクター限定)。
1000円で1カ月間視聴できます。1000円は「TT被災者支援基金」で受け取り、今後の支援に活用させていただきます。
ねこあしショップ ー> https://nekotap.stores.jp/items/66304881b7ac330ef7d19e19

3月にボランティアネットワークと連携して、タッピングタッチによるボランティア活動を行ったインストラクター鈴木さんの報告をお読みください。
支援者への支援も含めて、今後も毎月の訪問を予定しているそうです。
また、支援活動に関心のある方は、事務局までお知らせください。

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能登福祉救援ボランティアネットワーク」と連携し、3月に能登の被災地でタッピングタッチの活動をしてきました。これからも月1回を目標に、被災地にタッピングタッチの活動で訪問することを計画しています。

<報告>
*3月20~21日、石川県内の被災された社会福祉施設でタッピングタッチをしてきました。

*20日は、私と能登福祉救援ボランティアネットワークのコーディネーターさんの2名で、穴水町の高齢者施設を訪問しました。
金沢駅に9:00前に到着しコーディネーターさんと合流、車に乗せていただいて現地に向かいました。七尾市あたりから、急にブルーシートを被せた家が増えていきました。
11:00すぎに施設に到着。こちらの施設は、新館として使用されていた3階建の建物が使えなくなり、隣の建物で一緒に生活されていました。
午前中はグループホームのご入居者3名にケアタッピングをさせていただきました。
「なんかあったかくなってきた」「手もあったかいわ」と言ってくださったり、普段、ほとんどお話されない方が、少し身の上話をしてくださったり、素敵な笑顔を見せてくださって、施設の方も驚いておられました。
午後は、皆さんがよく集まっている玄関入ってすぐのスペースに椅子を2つ置き、そこに来て下さる方に順次タッピングタッチをさせてもらいました。
職員の方とご入居者、あわせて12名ぐらいが次々に来てくださいました。
職員の方にはパンフレットをお渡ししながらさせてもらいました。
「家で家族にやってあげたい」と一緒にタッチの練習をした方もありました。

*21日は、朝、金沢駅に兵庫のインストラクターの石田麻衣さんを迎えに行き、コーディネーターさんと3人で輪島市に向かいました。
施設のすぐ近くにある輪島市黒島地区は、国の伝統的建造物保存地区に指定されており、建物が古かったため、非常に大きな被害を受けておられました。この日に伺った施設は、所有されている2つの建物のうち、1つを福祉避難所として受入れされていました。
福祉避難所は、普段はご自宅で生活されている方で、被災後、一般の避難所で生活するのが大変な方を一時的に受け入れている避難所です。
こちらはお元気な方も多いので、それぞれ二人組を作っていただいて、皆さんと一緒に基本型をすることにしました。
積極的に参加してくださって、私が手を上げてタッチの手の形の説明しようとすると、すぐにたくさん手が挙がり、真似して一緒にしてくださっていました。
最後にセルフタッピングも一緒にすると、胸の前で腕を交差してトントンする所等、みんなで一緒にゆらゆらして、穏やかな楽しい雰囲気になりました。
参加できる職員さんも一緒にやってくださっていました。
その後、お隣りのグループホームに移って、こちらでは、石田さんと二人で、お一人ずつケアタッピングをさせてもらいました。20名前後の方にさせていただいたのではないかと思います。
終ってから、管理者の方が、不穏になりがちな方が今は落ち着いている、タッピングタッチの効果かも、と言ってくださっていました。
ぜひ、次回は職員の方々にもさせていただきたい、とお伝えして帰りました。

<石田さんの感想です>
今回、鈴木インストラクターが能登でのタッピングタッチボランティアの呼びかけをしてくださっているのを見つけて、すぐにスケジュールを見ました。するとポカっとちょうどピッタリ予定が空いていました。これは絶対行かせてもらおうと思い、状況はわからないままでも参加することができました。
能登では、社協のコーディネーターさんが現状を色々とお話してくださり、復興支援が非常に少ないことや、地震から3か月たっていながら、まだ水も通っていない地域があり、非常に遅いということなどを聞きました。
ご紹介いただいた高齢者施設では、ご近所の高齢の方々がまだ自宅に帰ることができず、一つの施設を避難所にしているため、詰め詰めにベッドを並べて暮らしておられる状況でした。
タッピングタッチの導入に関しては、その施設ごとの様子を見させていただいて、個別なのか、講座のようにお伝えして皆さんで参加できるのかなどを臨機応変にさせていただくとのことでした。
そこで、避難所の方では、鈴木インストラクターによる即席簡単講座となり、参加者の方々は、それぞれに意欲的に参加してくださっていました。
施設の方では、認知症の進んでおられる方もおられるとのことで、集団ではなく、個別に順番にタッピングタッチをさせていただきました。
行く前から「行かせていただけて感謝」と思っていたのですが、お一人お一人にタッピングタッチさせて頂く中で、皆さんの優しさや受け取りの広さなどに触れさせていただいて、こちらもたくさん癒されてしまいました。
現地の皆さまの日常の生活の邪魔にならないように、かつ、なにか癒しのタネとなれるようにと感じながら、、、
心残りは、施設のスタッフの方々へタッピングタッチさせて頂く時間がなかったことです。次回には、ぜひ!とお約束させていただきました。
このような経験をさせて頂く機会をいただきましたことを鈴木インストラクター含め、タッピングタッチ協会に感謝しております。
一度きりでなく、できるだけ、継続参加させていただきたいと思っています。

鈴木貴子(兵庫県 インストラクター)

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日常も災害の時もタッピングタッチ

2023/08/14活動レポート(ブログ)

連日”危険な暑さ”が続いていますね。
現在、台風の影響が出ている地域も多いことと思います。みなさん、お気をつけてお過ごしください。
また今年の梅雨には何十年に一度の規模の豪雨や、今まで経験したことのない突風が発生したりなどで全国各地で被害が起きました。ご本人様、そしてお身内の方などが被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。

警報や避難指示が出ているときにまず行うことは、身の安全を守ることですね。身の安全が守られた後、心のケアも必要で大切なことです。「大丈夫」とわかっても、心のザワザワや不安は簡単にはおさまらないのではないでしょうか。

みなさん、ご自分のそして家族の心のケアの方法をご存知ですか?
タッピングタッチは赤ちゃんからお年寄りまで活用できるケアの方法で、心も体もほぐしてくれます。

東日本大震災や熊本地震の避難所などでも活用されました。
「ずっと緊張していたのが和らぎました」「ほっと一息つけました」「少し気持ちが明るくなりました」などと笑顔になっていく様子や、眠れなかった方々がタッピングタッチを始めて5分ほどでこっくりこっくりする姿がNHKのあさイチやためしてガッテンでも放映されました。

全国のメディアで紹介された一覧はこちらです。一部、放映された動画も視聴できます。
ー>  https://www.tappingtouch.org/?page_id=93


そしてコロナ禍の3年間も、ストレスフルでしたね。
2020年3月26日「家族でできる、ひとりでできるタッピングタッチ」の記事と開発者中川一郎氏によるタッピングタッチのセルフケアがYouTubeで公開されました。

お互いケアをしあうこと、ご自分の体と心をケアすることは非常時だけでなく日常的に大切なことです。タッピングタッチは、日常でも災害時でも家族のスキンシップやコミュニケーション、職場や地域でも活用できます。
全国(オンラインを含む)で体験会や講座が開催されています。
ご自分や家族、身近な人の大切な心と体をケアする活動を始めませんか?
日程や詳細はイベントカレンダーをご覧ください。

災害時を含めた「活動の記録」や「定期的な活動」のページもご参考にしてください。
ー> https://www.tappingtouch.org/?page_id=85

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福島でオンラインでの支援活動

2020/05/06協会より

2011年3月11日に東北を襲った大地震の影響で、福島の原発が爆発。 その後の福島での生活は一変しました。

福島県須賀川市に住む臨床心理士の冨森崇さんが、タッピングタッチのことを支援活動の中で知り、協会に連絡をしてきてくれたことから、交流が始まりました。 そして協会代表の中川一郎氏は毎年福島を訪れ、彼と一緒に、震災と放射能の被害にどう向き合っていくのか、何を大事にすればいいのかを始めました。

冨森さんは、その後タッピングタッチのインストラクターになり、福島に住み続ける方々の支援を続ける中、「不安と上手に付き合う、向き合う」ためにタッピングタッチを活用してきました。

そして2020年4月。新型コロナウィルスの感染が拡大していくなか、NHKの番組クローズアップ現代が「ストレス危機をどう乗り越える」というテーマで、彼の活動を取り上げてくれました。こちら

これは彼が理事長となった「特定非営利活動法人ハートフルハート未来を育む会」http://heartfulheart.com/ の活動の一環だそうです。東日本大震災と原発事故により被災した子どもと保護者に対して、災害後のこころのケアと放射線不安に関する支援を継続的に行っています。コロナ禍で集まれないことからオンラインで「不安を語り合う」機会を設けて、保護者への支援としてもタッピングタッチを紹介してくれています。

彼が活動の主軸にしてる子育て支援施設「すかがわ子育てネットワークTUNAGU」のHPに、インタビュー記事がアップされていました。
特集 新型コロナ 子どもの心への影響探る(冨森臨床心理士インタビュー)

ご自身と家族の安全や先の生活に迷いながらも、ずっと地道な支援活動を継続されてきた冨森さんの活動に公共放送がスポットを当ててくれたことにとても意味を感じますし、そんな彼の活動の支えとして「ゆっくり、やさしく、ていねいな」タッピングタッチが大事にされていることをとても嬉しく思います。

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