アジアでのタッピングタッチの広がりについて
認定インストラクター 笠井綾(宮崎県)
最近、中国の南京師範大学で臨床心理学を教えている友人の陶琳瑾さんからタッピングタッチについて問い合わせがありました。中国では新型ウィルスの見えない脅威にストレスを感じている人が多いため、陶さんは大学の授業やセラピーセッションを通して、また教員仲間でSNSに記事を投稿するなどして、いろんなストレスケア方法やリソースを紹介する活動をしているそうです。
彼女は私と一緒に何度かタッピングタッチを体験したことがあり、効果を感じてタッピングタッチのホームページの英語版を周りの人に紹介していましたが、やはり中国語でないと伝えにくいと思ったそうで、なんと自力でインストラクションを中国語に翻訳し、隔離された家庭内でできるようタッピングタッチを紹介するSNS記事を執筆しています。中国は大変な状況にあるので、タッピングタッチもお役に立てばと思っています。
陶さんと知り合ったのは私たちがまだ学生の頃で、日中学生対話のプロジェクトをお手伝いしている時でした。陶さんは中国側の受け入れとして一緒に事務やコーディネイトの作業をやってくださった言わば戦友です。形を変えながら10年ほど続いたその対話プロジェクトは終わり、今はメンバーがまた別のプロジェクトと繋がって活動を続けています。
Northeast Asia Regional Peace Building Institute (NARPI: 通称ナルピ)は、2011年から毎年夏に北東アジアのどこかで開催されているサマートレーニングです。東アジア各地から、約50名の若者が集まり、二週間一緒に生活しながら、紛争解決、修復的正義、トラウマなど、平和構築に関連する様々なトピックについて学んだり、フィールドワークに出かけたりします。(18歳以上なら誰でも参加できます。)
私はトラウマのワークショップ担当ですが、もともとそこでタッピングタッチを紹介したことがきっかけで、「ちゃんと教え方を習わないと!」と思い、インストラクターコースを受講するようになりました。去年(2019年)は久々に南京での開催で、陶さんとも6年ぶりに再会!タッピングタッチ体験のセッションをお手伝いいただきました。ナルピでのタッピングタッチ体験は、毎年恒例になりつつあります。一部参加者はよく覚えて、夜のお楽しみアクティビティーとして参加者自主開催でタッピングタッチが行われることもあります!
写真は2018年のナルピinチェジュ島です。昼間に体験をした後、夜みんなが集まってやるというので、じゃあせっかくだから私がガイドするよといってやっているところです。蒙日中韓米のみんながゴロゴロしています。^^
私の周囲では、こんな風にアジアでもジワジワとタッピングタッチの輪が広がりつつあります。同時に、体験から先をきちんと伝えるにはどうしたらいいのだろうといつも悩みます。ぜひCDの英語版を、いえ、英語だけでなくいろんな言葉のCDやインストラクションが必要とされているのではないかと思います。新型コロナウィルスの影響で、今年は集うこともままならないかもしれない東アジアの仲間たち。早く終息して、またみんなが楽しく触れ合う時間を持てますように。
下記は2018年中川一郎さんが、マカオでの学会発表の時に作成していたものです。ご活用いただければ幸いです。↓